丁寧に読む of 『味わう生き方』を実践する




『味わう生き方』は”SAVOR”日本語版の題名です。

HOME > 実践のヒント

こちらの右側をクリックくすれば、文字が大きく表示されます。 印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |


丁寧に読む

1.カバーと帯は、外して保管しておく

 本を丁寧に扱うのは大事ですが、カバーがあると本を大事に扱いすぎるのか、どうもページををめくる機会が減るようです。
カバーは本来、本を守るためにあるのに、カバーが汚れるから本を手に取らないのでは、「本」末転倒です。また、日野原先生が推薦文を書いてくださった緑の帯は、なかなか手触りがいい面白い紙で出来ていますが、柔らかくて結構、外れやすいのが難点です。
 そこで、一度、カバーを外してみてください。。ペーパーバック感覚で、手に馴染んできます。本棚に飾る時や、人に紹介するときは、カバーをかければいいですね。その方が、カバーも汚れていないので(笑)、奇麗に見せられます。

2.蛍光ペンで線を引く

 本に線を引くことに抵抗を覚える方がいますが、気持ちはわかります。本書は、結構、学術的で、専門家の知的欲求にも合うと思いますが、マインドフルネスの本質は実践ですあり、本書も、その意味ではマニュアルです。
 線を引くことの抵抗は、誰かに後で見られる際の恥ずかしさもあります。しかし、実際は、ほとんど、人に見せることはありませんし、書き込みがある方が意外とエライと思われるもの。
 一番の人は、後で見る「自分自身」です。それを見ると、「ああ、あのとき、結構、真剣に取り組んで痛んだ。自分って、結構エラいじゃん。」という自尊心が深まります。
 後が残ることを気にされる方は、蛍光ペンを使われるといいでしょう。これなら、仮にコピーを取る時でも、写りません。

3.線を引いたところをノートに書き出す/ワープロに打つ。

 線を引くことに抵抗がなくなって、線を引き始めたら、今度は、ちょっと感動や納得をしたらすぐに引くようになり、線だらけになってしまいます。それに、同じような内容で何度も引くと、どこで引いたのか、だんだんわからなくなって、ハイライトの意味がなくなってきます。
 そこで、週末やぽっかり時間が空いた時に、線をひいたところをワープロソフトで文書にしていきます。そうすると、自分だけの「味わう生き方」が出来てきます。どんな本でも、自分はすでに出来ている/わかっていることと、ちょうど、今必要なこと、れに、すぐにはピンとこないところがあります。それまでの経験や学びが異なるからです。大事なことは、全部に納得したり、実行しようとするのではなく、今、ちょうど心にとめておくことを選りすぐり、それを実行することです。こう考えれば、ノートの内容は、つくるたびに異なるでしょうし、それが成長の証でしょう。

4.人に伝える。そして、上手く言えなかったとこを後で理解する。

 読んだ本で、感動や納得をしたパートを人に伝えようとしたら、あるところで詰まってしまって、なかなかうまく言えないことがあります。そんな時、つい「最近、記憶力が・・・」と言ってしまうことがありますが、これは、記憶力というより、理解がその程度だった可能性があります。なぜなら、後で改めてその部分を読み返すと、上手く言えなかったところは、いい加減な理解しかしていないことがわかるからです。でも、そんな時ほど、あいまいだった部分が、それまで以上に、そこが頭に入ります。ですから、どんどん人に話しましょう!
 この夏、小学1年生の愚息に、「パパは勉強は教えない。」と宣言して、それを守ってきましたが、夏休みの宿題で読書10冊以上、というのがあったので、「これは勉強じゃないから。」ということで、横で音読させました。しばらくすると「読んだよー。」というので、「何が書いてあった?」とわざと尋ねると、なかなか答えられません。
 そこで、「読むということは、ひらがなを声に変えることではないよ。どんなことが書いてあったか、人に言えるようになることだぞ。」と言って、もう一度、読ませます。愚息はこう尋ねられるのが嫌いで、確かに、文字が読めるようになったばかりの子どもには、厳しいのかも知れません(パパは「勉強はしなくていい」と言ったのに、と文句を言われています)。
 小学生には厳しいかも知れませんが、我々が小学生のころに受けた国語の音読は、ただ大きな声で元気よく読めばいい、といった軍隊式のような面もあったかも知れません。どんな作品も、書いた人、そしてそれを受け取る人を意識しながら受け止めることが大事で、これも本書が言うインター・ビーイングだと思うのです。その意味で、小さいうちから、本とは、マインドフルな付き合い方にを覚えてほしいと、思うのです。


inserted by FC2 system